マンスリー8月号の「『カーボンオフセット』を知っていますか」へのご意見について

「具体的な政策は?」のご意見に対する私たちの考え方

マンスリーいきいきレポート8月号のトップ記事は「『カーボンオフセット』をご存知ですか」です。この記事をご覧になった区民の方から、「カーボンオフセットを扱っておられますが、だから中野区はどうすべきなのか? 7,000人のアリーナの建設計画を見直すとか、具体的な政策は」というご意見を先日いただきました。

まず、このようなご意見をいただいたことに感謝して、ここで中野ネットの考え方をお示ししたいと思います。中野ネットは、大規模開発には疑問をもっており、これまでにも縦型スプロールや大深度地下利用の問題を指摘しています。

コロナ後の都市の姿 —もう止めてほしい、垂直スプロール—(サンプラザ計画を例に
不足している市民の声 〜外環道陥没事故から考える都市計画と市民参加

 

今回のカーボンオフセットは、地方に植林することで大都市の大規模開発で排出される温室効果ガスの排出量を相殺するという考え方です。
つまりカーボンオフセットは過密都市で際限なく大規模開発を続けるための数字合わせではないかということです。
もちろん、地方の緑化は大切です。しかし、都市の環境改善につながらないのであれば、ゼロカーボンシティ宣言とは矛盾しています。

だから、「中野区はどうするべきなのか」とのご質問ですが、カーボンオフセットを指摘して中野ネット独自で「7,000人のアリーナの建設見直し」を提案しても、開発に賛成反対の二項対立に陥りかねません。

では何がしたいのか、ということですが、今後、環境とまちづくりに関心を持つ方がたとのあいだで「中野区のまちづくりはこれでよいのか」「もっと多様な選択肢があるのではないか」という議論を広げていきたいと考えています。

中野区ゼロカーボンシティ宣言を有効に進めるために、持続可能な都市のあり方を模索する議論が高まることを期待しています。その議論が中野区に伝わり、本気の「ゼロカーボンシティ」を目指すとすれば、まちづくりの方向も変わらざるを得なくなるのではないかでしょうか。
ですから、マンスリー8月号へのご意見をいただいたことは、そうした議論の第1歩になるものと期待しております。

「マンスリーいきいきレポート」は中野・生活者ネットワークの考え方と細野かよこの人となりを伝え、多くの区民の皆さんに信頼していただくよう努めていきます。いずれ時期が来たら細野かよこの政策レポートをお届けいたします。

「カーボンオフセット」をご存じですか マンスリー「いきいきレポート」8月号発行

整備中の中野駅新北口(中野区役所正門から撮影)

 

旧中野体育館跡地に建設中の新区役所

2021年12月16日の区長記者会見資料