プラスチック廃棄物の削減——私たちにできること・すべきこと
本ホームページ9月24日掲載の「レジ袋有料化とプラスチック問題」を読まれた方から「私たちにできることとすべきこと」の記述が少ないとご意見をいただきました。実は、レジ袋有料化をテーマにと資料を集めてみるとプラスチック問題の根深さ複雑さを改めて認識し、一回のトピックでは収らないと感じていたところです。
前回、プラスチックにまつわるジレンマに触れました。まず、災害や医療などで使われるプラスチック製品は、現状では代替品が現れるまでは使わざるを得ない必要なものとして、日々の生活で使用するプラスチックを便利なものと大きく分類しました。役目を終えたプラスチック製品の処分は、大なり小なり環境負荷がかかるので、最善と思われるやり方を選ぶしかありません。
4つの「R」で発生抑制と減量
そこで、今回は、私たちが日々の生活の中でできる3Rに基づき、プラスチック廃棄物の発生抑制と減量に焦点を当てました。ご存知の方も多いと思いますが、3Rとは
Reduce:リデュース、減らす:使用量を減らす、
Reuse:リユース、再利用:そのままの形で使う、
Recycle:リサイクル、循環、再生:廃棄物を原料にして作り直す、
の3つです。
ほかにRefuse:リフューズ:断る、使わないがあります。
不買運動はもっとも効果的な消費者運動という意見もあります。そもそもレジ袋はリフューズの対象でしたけれども浸透しませんでした。
もう1つの「R」で責任ある消費生活
さらに、もう一つRで始まる「Responsibility:責任」を加えてはいかがでしょうか。西洋近代化社会は便利で安価なプラスチック製品を大量に使ってきたことから地球環境および人類の持続可能性に深刻な影響を及ぼしてきました。いま、責任ある消費生活が求められています。
先ず実現したいことは、
1.ポイ捨て、不法投棄をなくし、プラスチックを野ざらしにしない
2.商品の容器やラッピング(包装)用プラスチックは必ず容リ法に即して回収ルートに乗せて適切に処分する
3.手元にあるプラスチック製品は大切に使用を続ける
4.不用意にプラスチック製品を買わない。多少値段が高くて不便でも、環境配慮の代替品を選ぶ
5.創意工夫でプラスチックをなるべく使わない生活をする
廃棄物と資源の出し方の詳細は中野区の公式サイト「資源とごみの出し方のきほん」をご確認ください。
中野ネットメンバーの3R実践例
中野ネットのメンバーはこれまでもレジ袋→マイバッグ、飲料用ペットボトル→マイポット、液体せっけんやシャンプー等は詰替え袋を購入し容器をリユース、プラスチックバッグは保存袋やゴミ袋などリユースを心がけてきました。
ラップ類の減量は私たちが最も頭を悩ましているものの一つです。フランス通のSさんによれば、フランスでは何でも大切にするのと節約の精神の相乗効果で何度も同じラップを使います。
複数のメンバーは、食品や残り物の保存にはラップをつかわず、繰り返し使えるプラスチック容器、プラスチックの蓋つき陶器の保存容器、耐熱ガラスや器の上にお皿を蓋替わり(写真)にして使ってます。
Mさんは、お出かけにおむすびを持って行く時は、森のイスキアの佐藤初女さん*に倣って布に包んでいます。お米が見えないように海苔でくるむとおむすびが布にくっつきません。この方法だとラップを使わないだけではなく、おむすびがふっくらとして美味しいそうです。
*佐藤初女さんのおむすびについては「こちら」をご参照ください
おしゃれでエコな「蜜蠟ラップ」
さらにプラスチックを使わない「蜜蠟ラップ」がおしゃれでエコなラップとして最近注目を集めています。「蜜蠟ラップ」を愛用しているSさんに寄稿をお願いしました。
「生活協同組合(生協)に入ってから、私の生活は一変しました。そもそも生協って買って食べるだけのものじゃないんですよね(今まではそう思っていました)。「食べるもの」へのこだわりは、農薬や化学肥料の削減、環境に与える影響など、それらにまつわること全てにサステイナブルなことが組み込まれていました。
そうした流れから地球環境が抱える問題などを知ることとなり、石けん生活やプラスティック問題についても積極的に取り組むこととなっています。
その1つに1回使ったら捨てるだけの存在「ラップ」がずっと気になっていました。ごみの量も増えるし何とかしたいと思っていた時に、「みつろうラップを作る」企画に参加しました。まず初めに「メチャクチャ可愛い♪」とひとめぼれ。その使い方も幅広く「もうこれしかない」と思いました。お気に入りのオーガニックコットンにみつろうをアイロンでしみこませるだけでできてしまう「みつろうラップ」凄すぎませんか?
包みたい物の形に変化し、食器の口に手で押しながらなじませるとラッピングされます。毎日使うものから少しでもプラスティックが減ることがとても心地よい毎日になっています。子どもから「お母さんたちの時代にプラスティックを使いすぎたおかげで今僕たちの時代は大変なことになっているんだ。」なんて言われないようにできることから少しずつ、地球にやさしい生活様式に変えていけたらと思っています。」
文章と写真T.S *「蜜蠟ラップ」の作り方はインターネットで検索できます。
ご意見、情報を是非お寄せください
以上、「私たちにできるプラスチック削減」の一端をご紹介しました。中野ネットは、本年の目標の一つに「双方向の情報・意見交換」を挙げています。今回ホームページのトピックに初めてご意見をいただきました。また、プラスチックラップに替わる「蜜蠟ラップ」についてSさんに寄稿していただきました。心より感謝いたします。これからも双方向のホームページの充実を目指してまいりますので皆さまからのご意見、情報を是非お寄せください。