妙正寺川の川歩きと全国一斉水質調査

全国一斉水質調査は世界環境の日(6月5日)に近い日曜日に日本中の環境や河川に関心のある団体が一斉に水辺の水質調査を行います。中野・生活者ネットワークは今年(6月4日 10:00~12:00)も参加、妙正寺川の調査をしました。

水質調査はパックテスト(比色法による簡単な水質分析器具)でCOD(chemical oxygen demand:化学的酸素要求量:水質をきれいにするために必要な酸素量)を調べました。水質調査の結果は「全国水環境マップ」に記載される予定です。

妙正寺川は荒川水系に属し神田川上流(北から妙正寺川と江古田川、善福寺川、神田川)の支流で、流路9.7㎞、流域面積21.4㎢、東京都内を流れる1級河川です。水源は杉並区妙正寺公園内妙正寺池、中野区松が丘で江古田川と合流、新宿区下落合一丁目辰巳橋付近で神田川高田馬場分水路と合流します。

国土地理院地図

今年は水質調査をこれまでの4地点から6地点に増やしました。妙正寺川中流域の東京都中野水再生センター(下水処理施設)から処理水が放流される地点上流の①千歳橋、②人道橋、③江古田公園橋、④下田橋、⑤北原橋 ⑥落合公園横(水車上橋)までを調査しました。

水質調査の流れ

1.はじめにバケツで川の水を汲み上げる。調査地点ごとにバケツを川の水を使って共洗いしてから調査に使う水を汲み上げます。

2.バケツで汲み上げた川の水の温度を測り、パックテストを行う

3.試薬により変化した水の色で化学的酸素要求量を確認する

パックテスト

パックテストの結果

 

調査地点

  • 千歳橋:区立平和の森公園隣接中野水再生センター下水処理水吐口の上流
    ○処理水吐口の上流と下流で水の色と透明度の違いに注目している。前々日の雨の影響で水は透明で川底が見えた、水量は多めであった。

 

  • 人道橋:中野水再生センター、処理水吐口下流
    ○処理水吐口の下流、下水排水口からも多量の排水が見られた。水は透明で水量が多かった。

 

  • 江古田公園橋:妙正寺川・江古田川合流地点下流
    〇妙正寺川、江古田川ともに例年よりも水量が多かった。

 

  • 下田橋:中野通と妙正寺川が交差する哲学堂南西部
    〇水量が多かった。川面から橋までに高さがあり、バケツで水をくみ上げるのが難しかった。
    バケツの柄が外れてしまい本体が妙正寺川に落ちて流れてしまい回収できなくなってしまった。
    後半は予備のバケツを使った。今後丈夫なバケツを用意する。

 

  • 北原橋
    〇以前から気になっていた地点なので追加して調査した

 

  • 水車上橋:落合公園付近
    〇上流に比べCODが高めであった、

 

まとめ

前々日から前日朝までの大雨の影響か、目測では水は無色で透明度が高く、水量が多めで流速も早く感じられた。大雨で下水の流入による汚濁を予想していたが、例年にくらべてごみは極めて少なかった。

全国一斉水質調査は幅広い世代の市民が水辺に親しみ水質や水循環に興味をもつ機会になります。水質調査が大好きな子どもたちが1年生となり、雨天順延の運動会のため学校の行事と重なり参加できなかった。子どもたちが継続的に川に親しむ機会を設けたい。

通りがかりの人が興味を示し、「自然に戻さなければ生物は育たないよ。もとに戻してよ。」とのご意見をいただいた。

水の循環、都市河川の水質汚濁と浸水リスクを理解したうえで、都市環境の修復につながる提案や情報提供に役立てていきたい。