私の好きな中野、残したい中野 ~ベンチのある風景~

今回紹介する「私の好きな中野」はベンチのある風景です。

一つ目は、中野三丁目、坂道を上がったあたりのお宅のフェンスの隅に長さ1メートル奥行き30センチほどの板を載せた簡単なベンチです。「お疲れの時に一休みどうぞ!」と声を掛けられているような、いたわりの空間です。

二つ目は、上高田の通りに面したお宅の軒先で見つけた白い小さなベンチです。座るためというよりも見ていて微笑みたくなる和みの空間です。

三つめは、中野4丁目の北西部に位置する早稲田大学西側、建物に沿った木立と植え込みに点在するベンチです。幅の広い歩道と相まってゆったりした憩いの空間を提供しています。酷暑のこの夏、私は自宅から中野・生活者ネットワークの事務所に向かうときに多少迂回してもこの道を通ります。木陰の涼風に一息ついてベンチに座って水分補修をします。
ここでマチハイクを一句

 緑陰を求めてあるく昼下がり

今、木立とベンチの一角は私の好きな中野の一つですし、四季の森公園はたくさんの親子連れが遊びに来る人気スポットです。

それでも、ベンチに座っていると「もっと大きい公園にできたのに」と、叶わなかった夢がよみがえります。大学、病院、オフィスビル、四季の森公園一帯は、かつて「警察大学校等施設跡地」と呼ばれる巨木の茂る緑豊かな広大な敷地がありました。跡地は今も私にとってまちづくりの原点、ほろ苦い「残したかった中野」です。

加藤まさみ