川からまちを見てみよう!第2弾 中野版「ブラタモリ」? 〜神田川を東中野から妙正寺川合流地点まで歩く〜
『神田川再発見』再編のための実踏
神田川のウォッチングを11月25日(木)に行いました。目的は中野ネットが参加している神田川ネットワークの『神田川再発見』(2008年初版)再編作業の現地調査です。前回は9月23日に中野区弥生町にある区立広町みらい公園に集合して、神田川を善福寺川との合流地点からJR総武中央線東中野駅まで歩きました(本ホームページ10月15日付けトピック参照)。今回は、その続きで東中野駅に集合して、神田川大東橋から高田馬場を通って妙正寺川との合流地点までを実踏しました。
まちの変化をみつける
今回は、『神田川再発見』からの大きな変化が二つありました。一つ目は、東中野駅東口改札を北側に降りると間もなく大きな工事現場が目につきました。2020年に閉鎖したwest53 rd日本閣跡地に28階建てタワーマンションの建設工事が始まっていました。JR線路北側、神田川左岸に旧日本閣跡地JR線路よりに立つツインタワーマンション(2007年建設)に加えて、3棟目のタワーマンションが並ぶことになります。
神田川まで坂を下り、神田川左岸の「神田川四季の道」を歩きました(右岸は新宿区か「神田川上水公園」)。二つ目の変化は、大東橋と南小滝橋間に立地していた区立三中(2008年当時)が、2018年に区立十中と統合して中野東中学校と名前を変え、2021年9月に中野坂上の旧第十中学校跡地に建設した新校舎に移転したことです。
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/651500/d030844.html
跡地利用については、都立中野特別支援学校の校舎建て替えのための仮設校舎として東京都教育委員会に土地を貸し付けるそうです。その後の土地利用についてはこれから検討に入っていきます。
中野長者の昔話をみつける
小滝橋では、ユニークな黒い三角錐の御影石の「中野長者」の碑が右岸(新宿区側)早稲田通り交差点手前にあります。一面に中野長者の昔話、一面に神田川にかかる橋の絵が描かれています。神田川に沿って歩くと例えば環状6号線にある「長者橋」の由来とともに中野長者の人物像が浮かびあがりました。https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/102500/d020156.html
川と下水道の関係をみつける
中野区の一部が神田川左岸にそって新宿区に入り組んでいました。中野区東中野5丁目30の住居表示の位置で「神田川四季の道」の植栽が新宿区に入ると突然なくなり、落合水再生センターの敷地に沿って歩きました。コロナ禍で見学ができませんでしたが、屋上にある落合中央公園を散策しました。
せせらぎの里では高度再生水を利用した「せせらぎ」が作られています。その一角に落ち葉ダメ(木枠のコンポスト)が設置されていて、水の再生とともに落ち葉(有機物)の循環も理解できるようになっていました。また木製の遊具ものどかで中野区の遊具選択の参考になりそうです。トイレは2020年にリニューアルされて清潔で手洗いにはお湯もでるので散歩途中の一休みにおすすめスポットでした。
複雑な神田川・妙正寺川・処理水の経路
せせらぎ橋を過ぎると河川と下水処理水路は複雑な経路をたどります。新堀橋では神田川増水時に水の一部が分流されて暗渠の高田馬場分水路入口からバイパスを通っていったん地上部で妙正寺川に流入し、すぐに妙正寺川とともに新目白通り地下の暗渠になります。
神田川を下流に、高田馬場付近では水辺に近づける親水テラスがあります。中野区にも子どもたちが河川と触れ合うことのできる水辺が欲しいです。
高田馬場の神高橋からさらに4つ目の新目白通りにかかる高田橋の下で神田川は、暗渠を流れてきた妙正寺川および高田馬場分水路と合流していました。今回のウォッチングは、その次の高戸橋(今回の目的地)から高田橋を振り返り三つの河川の合流地点を確認しました。神田川、高田馬場分水路(途中で落合水再生センターの処理水が合流している)妙正寺川の水質の違いがありました。処理水の流れる川床は富栄養化の影響で水草が繁茂していました。複雑な河川と下水道と分水路の関係は神田川ネットワークの保坂さんの説明を得て初めて理解できました。高戸橋は明治通りにかかっており、橋のそばで新目白通りと交差しています。
9月23日、11月25日両日とも天候に恵まれて、神田川と善福寺川の合流地点から神田川と妙正寺川の合流地点まで歩きました。神田川が如何に人工的な都市河川であるかを認識できました。それでも川歩きは楽しく、参加者からは「ブラタモリに参加しているよう」との感想が届きました。中野区は歴史、生活、災害においても神田川と密接に関係していることを再確認しました。『神田川再発見』再版が待ち遠しいです。