「まちなかサロン メリーさんのひつじ」が「出張 切手きるきる」の活動になる顛末記

活動を始めて6年目の「メリーさんのひつじ」

まちなかサロンは、区民同士が気軽に集える「憩いの場」で、中野区社会福祉協議会が呼びかけ、区民が運営しています。2021年4月現在、区内に34のサロンがあります。

「メリーさんのひつじ」は2015年5月にメェ~と誕生しました。毎月第1、第3水曜日の月2回、午後1時半~3時半に新井区民活動センターで、子どもの頃から大人になっても親しんできた歌を中心に、歌の誕生の解説付きでみんなで歌を楽しんでいるサロンです。

ところが、コロナ渦で昨年から中野区の施設が何回か休館になり、そのたびに音楽を楽しむことに工夫を凝らしてきました。
今年の6月は区民活動センターの利用ができるようになりましたが、感染者が少なくなったということではないことは、だれの目から見てもわかっていました。

コロナ禍の中での活動の継続をどうするか

新井区民活動センターで「出張切手きるきる」の活動をする「メリーさんのひつじ」のみなさん。手前がオーナーの檜垣さん

6月2日(水)、新井区民活動センターの音楽室で、スタッフ9人と新井担当の社協の職員1名の10人で、今後の活動について話し合いをしました。
まず一人ずつ意見を出し合いました。
・感染者の数が少なくなってからの解除ではないのでまだ活動するのは心配(多数)。
・場所を替えて中野ゼロの音楽室だと歌えるからそこにしたらどうか。(1人)
意見としてはこの2つでしたが、話の中でみんなに会えないことは寂しいということを共有しました。

この話し合いの最中にスタッフの1人が「古切手をどこに持っていけばいいのでしょうか?」と社協の職員に聞いていました。
そのやりとりを聞いて、「当面は、出張切手きるきるを私たちの活動にしませんか」と提案したところ、満場一致で決まりました。

切手きるきるは元々「スマイルなかの」で行われている、寄付された使用済み切手をきれいに切りそろえる活動です。切りそろえられた切手をキロ単位で買いとってもらい、その代金を災害ボランティアの派遣やまちなかサロンの費用に充てています。
処理前の使用済み切手が社協に随分とストックがあることから、中野区のあちこちに出張切手きるきるの活動を広げていこうという計画になり、その手始めに、新井区民活動センターでメリーさんのひつじとしてやっていくことになりました。

思わぬ形で広がる「出張 切手きるきる」

決まった後は、メリーさんのひつじに参加しているみなさんに往復はがきを送り、往信には活動変更のいきさつ、参加する場合は箱とはさみを持参することを明記、返信で出欠の連絡をお願いしました。順次返信が届き、歌えるまではお休みしますという方もいれば、活動の変更を見事という方もおられ、皆さん思い思いの意見を書いてきてくれました。

いつも活動している音楽室では作業ができないので、会場を2階の洋室2部屋に変更し、定員26人で始めることになりました。そして6月16日(水)午後1時から、スマイルなかので活動している方からレクチャーを受けて、切手きるきるがスタートしました。
出張切手きるきるはこの後、江古田、東中野でも始まります。

新井区民活動センターでは、8月まではメリーさんのひつじの活動にしていますが、9月からは運営委員会主催で引き継いでいくととなりました。
メリーさんのひつじのメンバーも参加できるように、サロンと切手きるきるは曜日をかえて実施します。
この活動を気に入ってくれた方は、スマイルなかのの活動に参加されたり、江古田の方にも行ってみようとおっしゃっていました。
コロナ渦の中での苦肉の策が、思わぬ形で広がっています。
「メリーさんのひつじ」オーナー 檜垣敦子