今年も妙正寺川で「身近な水環境の一斉調査」

調査地点最後の江古田公園橋で参加者のみなさんと

身近な水環境の一斉調査とは

梅雨入り前の6月6日、今年も身近な水環境の一斉調査を兼ねて妙正寺川の川歩きをしました。
全国水環境マップ実行委員会が主体となり、毎年世界環境の日(6月5日)に合わせて日本中の600を超える団体が一斉に河川など水辺の水質調査を行ないます。

水質はパックテスト(比色法による簡単な水質分析器具)で、COD(chemical oxygen demand:化学的酸素要求量:水質をきれいにするのに必要な酸素量)を調べます。

2004年から始まった調査は今年で18回目になります。新型コロナウイルスの非常事態宣言下でしたが、野外での活動でしたので、マスク着用・密にならないように気をつけて実施しました。

中野・生活者ネットワークは妙正寺川中流域4か所を調査

当日は10時に沼袋駅南口に集合、途中小雨が降る程度で12時前に江古田公園橋で無事に調査を終えました。参加者は大人8名、子ども1名の総勢9名でした。

調査か所は妙正寺川中流域、①千歳橋(平和の森公園の下の中野水再生センター〈下水処理場〉の吐口、処理水が川に流れ込む地点の上流)と②人道橋(下流)、③江古田公園橋(もう少し下流の江古田川との合流地点)でした。(④の水車上橋は6月12日に行いました)

水質調査は、以下の流れで行いました
1.はじめにバケツで川の水を汲み上げます。1度目の水は捨てて、2度目に汲み上げた水で調査します。
2.バケツで汲み上げた川の水の温度を測り、パックテストをします。
3.水温ごとの反応時間に合わせ、試薬により変化した水の色で化学的酸素要求量を確認します。(数値が高いほど汚れています)

最初の調査地点「千歳橋」。バケツで水を汲み上げたいのですが、なかなか難しい……

パックテスト。試薬を入れた直後はピンク色ですが、時間の経過とともに、だんだん数値が高くなり緑色になっていきました

調査結果とまとめ

調査年月日
千歳橋
人道橋
江古田公園橋
水車上橋
2020年6月7日
8以上
気温25℃ 水温20℃
8以上
気温26℃ 水温23℃
気温27℃ 水温25℃
気温30℃ 水温26℃
2021年6月6日
8以上
気温17℃ 水温15℃
気温18.5℃ 水温19℃
気温17℃ 水温18℃
気温30℃ 水温24℃

 

4カ所とも数値は最高(汚れている)

千歳橋では水量が少なく流れも緩やかで水の採取に苦労しました。
今年も昨年同様4か所とも8か8以上と汚れが目立ちました。

昨年の調査レポートも参考にしてください。
https://nakano.seikatsusha.me/blog/2020/06/25/4672/
水質調査の結果は「全国水環境マップ」に記載されます。
これまでの調査結果も掲載されています。
http://www.japan-mizumap.org

 

人道橋から江古田公園橋までは距離があったので、自転車での移動でしたが、川沿いの道路に落ちているごみも拾いました。

川沿いに落ちていたゴミ

こんなゴミも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調査で弾む近隣の方との会話

調査中に嬉しかったことは、バケツにロープを結んで川の水を採取する準備をしていた時に、通りすがりの方々から何をしているのかをたずられたり、千歳橋と人道橋の間の水草の下にはドジョウがいて、鳥が食べにくるという情報も川沿いの住民の方からお聞きしたり会話が弾みました。
また、近くにお住まいで平和の森公園の花壇のお世話を長年しているという方には、ジュースの差し入れもいただきました。

参加者の感想


地域の環境に触れる機会はありがたい!

4歳の息子と夫婦で参加しました。昨年も親子で参加したのですが、息子が急にそれを思いだしたのか、「水とるのいく!バケツを投げる練習するの!」と張り切っていました。バケツを投げて水を取るのは案外難しく、重く、お父さんが活躍したのもよかったです。
地域の環境に地域の方と触れていく機会があるのは本当にありがたいです。
水質が芳しくないのは残念でしたが、自分にできることを常に意識したいと改めて思いました。また下水の問題だけでなく、流れ=動きがあまりないのも水質に影響してそうなのも気になりました。(加藤朱花さん)

子どもたちが川で遊べるようになるのはまだまだ難しい……

今回初めて参加しました。水が透明に見えても、パックテストでは、高い数値(汚れている)がでており、子どもたちが川で遊べるようになるにはまだまだ難しいのだなと実感しました。
バケツをおろしている様子を通りすがりの子どもが興味深くみていたり、話しかけてくださったり、地域の方の河川への関心の高さが伺えました。
今回は歩いて移動できる範囲の調査でしたが、区内を手分けして調査できたら地域ごとに違いがでるのか、また水草や生物が住んでいる川の数値との比較なども興味深いです。
中野区一斉調査ができれば、区民が中野の河川について考えるきっかけになると思いました。(加藤裕紀子さん)

楽しく身近な環境を考えさせられた調査活動でした。
報告・田辺雪子(環境部会)