往く年 2022年によせて
今年も余すところあとわずかです。皆さまにとって2022年はどのような年だったでしょうか。初めにこの一年、中野・生活者ネットワークをサポートしてくださった皆さま、街頭アピールでレポートを受け取ってくださった皆さま、こうしてホームページをたずねてくださった皆さま、そしてご意見をくださった皆さまに心からお礼を申し上げます。
2022年を振り返る
今年は、気候危機(夏の暑さが年々厳しくなってきました)、長引くコロナ禍(第8波が広がりつつあります)、ウクライナ・ロシア問題、安倍元首相襲撃事件とその後の混乱と、様々などれも簡単に解決しない事象が私たちの頭上に重くのしかかった一年でした。
気候変動の影響
気候危機は、人類の営みが長い年月をかけて自然環境へ与えてきた負荷(傷)が地球の持続可能性を脅かしていることを示しています。頻度を増すコロナウイルスの発生は、温暖化の影響と人間の活動が自然の奥深くまで入り込むようになった結果であるとも考えられます。満身創痍の地球環境の修復は今後長期にわたる努力を要します。修復可能か否かは、今を生きる私たちのふるまいかたにかかっています。明日を生きるであろう世代に未来を残せるかどうかが問われていると言えます。COP会議の行方に注目する、あるいはSGD‘sの傍観者ではなく、ひとりひとりに環境修復への責任ある行動が求められているといえます。
戦争の影響
ウクライナ・ロシア問題をはじめとする紛争は多くの命と生活を根底から破壊してきました。大規模な武器の使用は環境(都市・田園地帯・自然)破壊でもあり、地球の持続可能性をも危うくしています。戦争は力で問題解決をしようとする国(リーダー)の意思を表わし、軍備が戦争を促し拡大させているようにみえます。軍事力、防衛力の強化は人命、資源、自然の喪失にほかならず真の平和を遠ざけています。
リーダーの資質
国政では安倍元首相襲撃事件からは大きな衝撃を受けました。事件を契機に宗教団体との関係が明るみにでて、相次ぐ内閣関係者の辞任に波及しています。また「アスリートの祭典」であったはずのオリンピックの背後で汚職が蔓延していたことも明らかになりました。問題の根っこは大きな権限を持つ政治家や社会的リーダーの公正性公平性の意識の低さにあり、不透明で歪な日本の側面を見せつけました。
地球規模の課題と身近な厳しい状況
上記のように、気候危機、コロナ禍、戦争、そして日本の政治や社会の問題は、病気に例えると成人病のように回復には努力と根気が必要です。またそれぞれの問題は緊急を要する新たな難問を派生させます。例えば、気候危機では、大規模な台風が応急の復興を、コロナ禍では医療体制のひっ迫と立て直しを、ウクライナ・ロシア問題の影響はエネルギーや物不足(私たちの食卓にまで波及して)の解消などがあります。そしてどの問題もこれまでの経済の停滞と格差の拡大につながり、緊急対策を必要します。ともすると、目の前の対策に注目するあまり、そもそもの原因となる大きな問題を見失いがちです。生活者ネットワークの役割の一つは、緊急を要する身近な課題への対応とともに地球規模の課題に長期的視点に立って向き合っていることと自負しています。
中野・生活者ネットワークにとっての2022年
2022年前半 —新事務所開設、子どもの権利条例制定、区議補選
中野・生活者ネットワークは活動拠点として2月には新事務所を開設しました。5月には中野区長選に伴う区議会議員補欠選挙(補選 細野かよこ前区議会議員の参戦)という大きな取り組みをしました。補選は候補者6人中次点と惜しい結果でした。3月に「中野区子どもの権利に関する条例」が制定されたことは、子どもの権利に長年取り組んできた生活者ネットワークにとって特筆すべきうれしいニュースでした。
2022年後半 —二つの新しい取り組み
補選の経験を踏まえて、より多くの区民の皆さまに中野・生活者ネットワークと細野かよこを知っていただくために二つの取り組みをしました。
一つ目は、7月から始めた「オープンオフィスデイ」、月一回事務所でミニ学習会を開催しています(感染防止の観点から地域区民活動センターなどを利用しています)。
内容は、7月:補選の振り返り、8月:ユニバーサルデザインマップ、9月:視覚障がいを持つ方の暮らし方、10月:ウイルスについて専門家のお話、11月:まちづくりと景観、12月:子どもの権利についてで、ゲストまたはメンバーが話題提供をしています。
二つ目は、年一回発行の「いきいきレポート」の月刊「マンスリーいきいきレポート」の発行です。内容は主に介護・子育て・環境に関わる話題で、細野かよこのレポート、中野区の情報です。7月から今月まで次の話題を提供しました。7月:プレーパーク、8月:カーボンオフセットについて、9月:ユニバーサルデザインマップと視覚障がいをもつ方からの話題提供、10月:中野駅周辺バリアチェックのまち歩き、11月:介護保険制度の改定、 12月:マイクロプラスティックについてです。ほかに市民団体と共同開催したイベントや活動報告、中野区政情報を提供しています。
さらに、メンバーそれぞれの実践活動は有機的なネットワークを構成しています。副代表の大橋美紀が上高田を拠点に主宰するプレーパーク、子ども食堂、フードパントリーの運営には細野かよこをはじめとするメンバーが欠かせません。また大橋が長年目標にしてきたプレーパークの常設化が中野区で動き始めており、来年が楽しみです。
ゆっくりと、着実に……
2022年後半、中野・生活者ネットワークは、前区議会議員細野かよことともに次の機会を目指して「地道にこつこつ」を合言葉に活動してきました。その先には、英語のことわざのとおり、”Slow but steady wins the race”「ゆっくりと着実に…勝利する」を信じて2023年を迎えます。