コロナ禍の「上高田みんなの食堂」 〜沢山の協力と支援を受けて年末年始も大忙し

食堂の休止で、昨年3月からフードパントリー開始

昨年6月のトピックスでご紹介したように、中野区で一番の長寿子ども食堂「上高田みんなの食堂」は、コロナ禍で休止を余儀なくされています。昨年(2020年)は会場の上高田東高齢者会館の休館で、2月から4か月ほど食堂は休止していました。が、その間フードパントリー(食材配付)を始めました。

中野区の無料塾の中高生を中心に3月から配付してきました。無料塾とは、一般の有料塾に行っていない小中学生を対象にボランティアの大人が教える塾です。主にひとり親家庭が多い印象です。学校が閉鎖され、給食もなくなり、子どもたちの食生活に影響があるのではと気がかりでした。

1月24日のフードパントリー。Amazonの「みんなで応援プログラム」に応募したところ、全国からたくさんのご芳志が届いています

我慢を強いられる子どもたち

昨年6月からは、学校は再開しても宿泊を伴う修学旅行、スキー教室など大切な行事が中止になったり、運動会は学年ごとの実施になったりしています。普段はお喋りしながら楽しく食べる給食も、黙って食べる「黙食」とは、ストレスたまりますよね。

昨年1月から11月までの間に小中高生の自死が440人を超えてしまったそうです(厚生労働書の1月22日の発表)。1980年以降最多です。子どもたちは、見た目にはわからないですが、日常的にマスク着用、親がリモート勤務のため家に居場所がない、子ども同士くっついたり、大声出すこともできない……我慢を強いられています。

6月からはフードパントリーとお弁当配付に

6月からはせめて、おなか一杯食べる機会を少しでも多くしようと、お弁当の配付とフードパントリーの2本立てでやってきました。
幸い赤い羽根共同募金や宮内財団、国際NGOのワールドビジョンジャパン、中野区からの助成金を頂き賄ってきました。最近はAmazonの「みんなで応援プログラム」に応募、全国からたくさんのご芳志が届きます。

また11月と12月は農林水産省の生産者支援のための高級食材が寄付されたので、うな丼弁当やすき焼き弁当にメロンまでついた豪華弁当を120食ずつ配ることができました。また、12月はクリスマスやお正月を控えていたので、フードパントリーも2回、計80世帯に行ないました。タンパク質の要望が来たので豚肉や鶏肉とお米や果物を、また年末にはお餅やきな粉・海苔・あんこなどお正月に食べてほしい食材をまとめて送りました。この間は怒涛のような忙しさで、家族や友人、中野ネットの仲間の協力を得て乗りきりました。

地域のボランティアの皆さんと一緒に、毎回100食程度のお弁当を作ります

コロナ禍に負けず、受験シーズンを乗り切って!

1月24日のフードパントリーは、お米の目録、レトルトの丼もの、魚の煮つけ、フルーツ缶詰、歌舞伎揚げ、野菜と豆のスープや、ポタージュ、野菜ジュース、みんな大好きハンバーグ、使いやすいシャープペン、ハンドクリームにマスクなど20品目を、受験応援のため中三生をはじめ35人に渡すことができました。喜んでくれるといいな。

各地から寄せられた食品や文房具を袋に詰めます(1月24日)

公共施設が利用中止でも、無料塾、子ども食堂の活動は利用可能に

一方中野区では、1月22日(土)から突然、区民活動センターと高齢者会館が2週間休館になりました。受験を控えて無料塾の開催ができない!と大騒ぎになりました。無料塾や子ども食堂の代表者をはじめ区民の皆さんが、ツイッターやSNSで酒井区長に直訴しました。今こそ子育て先進区を目指している中野区はこの声に応えてほしいと、私も声を上げました。

25日に地域活動推進課から「区では、活動の継続性、緊急性、受験を控えた時期等を踏まえ、子どもセーフティネットに関する事業につきましては、集会室を利用していただくこととしました」との連絡がありました。素早い対応に感謝です。コロナ禍で苦しい思いをしている方々に届くよう、何とか活動は継続していきたいと思っています。
1月の「上高田みんなの食堂」のお弁当配付(100食・予約は終了しています)は1月28日(木)17時からです。

ご芳志は有難く、さばききれないほどたくさんの食材が集まっていますが、私たちの力ではほんの一部の所帯にしか届けられません。届いていない子どもたちが気がかりです。市民の自助、共助には限界があるので、全体をカバーする公助の力が必要です。(大橋)

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