前半は講演と先進自治体や事業者の報告と消費者団体からの提言。
「プラスチックのリサイクルはどうあるべきか」と題した京都大学教授・廃棄物学会副会長の酒井伸一さんの講演では、京都市と京都大学における容器包装プラスチックへの取り組み事例から、レジ袋削減をきっかけに、ごみの発生抑制の取り組みを進めていくことが重要であるとされた。また着色レジ袋には鉛が含まれることがあるので早急に鉛フリーのレジ袋への転換が必要であり、残留性化学物質を含む廃プラスチック類についても海外で生産されている物があり、今後製品の詳細な製造工程を把握していく必要がある事が話された。
先進自治体の報告
23区で唯一、全プラスチックを資源回収している港区からは、可燃ごみは8.9%増えたが、不燃ごみは85㌫削減された。課題として経費の削減が挙げられるが、他自治体のモデルになるような取り組みにしたいとの報告があった。
ごみを有料化している八王子からは、廃プラスチックの資源化について検討を行い、CO2削減を最小の費用で達成できるマテリアル・サーマルリサイクル併用とした。人口は増えているが、ごみの量は横ばい。廃プラ施設の建設に向けて市民・専門家を交えた協議会を設置して行なうという報告があった。
3Rネットワーク事務局からの提言
①容器包装プラスチックを資源化しないで焼却する自治体があり、資源の枯渇が予測される中、問題である。
②「一般廃棄物会計基準ガイドライン」に基づく自治体の情報公開が進んでいない。
③事業者にはCO2排出量について自販機と店頭販売の比較など生活者の知りたい情報の公開を求めたいなどの提言があった。
後半は3つの部会にわかれ、「レジ袋の削減」「ペットボトルのリサイクル」「頑張っているリユース」についてパネルディスカッションが行なわれ、出席者全体に報告された。
・レジ袋の削減に有効な有料化は全国に広がっているが(約150)首都圏では遅れている。首長のリーダーシップが必要。市民・事業者・行政の連携で進めて行こう!
・リサイクル事業者からは、今年10月中国からの容器包装プラスチックの引き合いが突然止まってしまったため、現在非常に厳しい状況である。リサイクルはリサイクル品を使わないと回らない。
・会場からの声:「容器包装リサイクル法ではなく3R法に!」「ペットTOペットに!」「発生抑制をするには法の中に生産者責任の明記を!」
・3Rネットに学生部会の設置を!
・韓国ではリユースの法整備が進んでいる。マクドナルドも店内 ではマグカップを使用。
・ペットのリユースを研究中の事業者からの発表
・今回初めて報告された平尾雅彦さん(東京大学教授)の「使用済みペットボトルの国内リサイクルと日中間リサイクルの比較評価」は、今回の改正時にデータがなかった物で今後の法改正に生かされる事が望まれる。
等様々な発言があり学ぶ事が多いシンポジウムでした。