初参加の親子、10代の若者と一緒に 今年も参加しました! 第19回全国一斉水質調査
小さなバケツが大活躍
今年で19回目を迎えた「全国一斉水質調査」は、世界環境デー(6月5日)に前後する日曜日に全国で約600もの個人と団体が参加し、身近な水辺の水質調査を行います。
中野・生活者ネットワークは、水質調査に参加するようになって今年で3年目、別の時期にしていた頃から通算10年調査しています。毎年同じ場所で同じ時間に調査を始めると、「全国」の川好き、環境関心派との連帯感を感じます。
私たちは今年も、西武新宿線沼袋駅に10時に集合して、妙正寺川の千歳橋に向かいました。参加者は、中野ネットのメンバーのほかに、2組の親子、そして大学1年生のウッシーさんです。
3年連続参加の親子のお子さんRくんは水質調査が大好きです。Sちゃんはお気に入りの小さなバケツにピンクの長いひも(5m)をつけて持参、初参加とは思えない用意の良さです。この小さなバケツが川の水を汲み上げるのに大活躍してくれました。
ウッシーさんは政治にも環境にも関心を持つ若者です。東中野駅頭で細野かよこが街頭演説で環境問題を取り上げていたのを熱心に聞いてくれたのがきっかけで、今回の水質調査に参加してくれました。
鴨の親子と白鷺にも遭遇 ゴミに目立った不織布マスク
千歳橋と人道橋の間では鴨の親子10羽が泳いでいました。人道橋の下流側では白鷺が一羽、低く切り立ったコンクリート張りの河川の水面を飛んでいました。
また、人道橋から江古田公園橋まで川に沿ってゴミ拾いをしました。ゴミの組成ではたばこの吸い殻はいつも多いですが、コロナ感染が収まらないためか不織布マスクが目立ちました。
調査結果
水質調査はパックテスト(比色法による簡単な水質分析器具)でCOD(chemical oxygen demand:化学的酸素要求量:水質をきれいにするために必要な酸素量)を調べます。水質調査の結果は「全国水環境マップ」に記載されます。
水質調査の流れ
1.はじめにバケツで川の水を汲み上げる
2.バケツで汲み上げた川の水の温度を測り、パックテストを行う
3.試薬により変化した水の色(1ピンク~8ブルー)で化学的酸素要求量を確認する。数値が高いほど汚れている。
4.1,2回目のパックテストで8になった時は2倍希釈して測り、数値を2倍にする。
注意:調査地点ごとにバケツを川の水を使って共洗いしてから調査に使う水を汲み上げます。
調査は妙正寺川の以下の4か所です。
千歳橋:中野水再生センター処理水排水口上流 北緯35度43分0秒東経139度39分36秒
人道橋:中野水再生センター処理水排水口下流 北緯35度34分5秒東経139度39分43秒
江古田公園橋:妙正寺川江古田川合流点下流 北緯35度43分35秒東経139度40分14秒
水車上橋:新宿区落合公園横) 北緯35度42分52秒、東経139度40分46秒
これまでの妙正寺川の水質調査データ (COD) | |||||
年月日 | ①千歳橋 | ②人道橋 | ③江古田公園橋 | 哲学堂下田橋 | ④水車上橋 |
2006-07-23 | 4 | 16(8) | 10(8) | ― | 14(8) |
2007-07-21 | 3 | 8以上 | ― | ― | ― |
2008-07-28 | 2 | 8以上 | ― | ― | ― |
2010-07-24 | 6 | 16(8) | ― | 10(8) | 10(8) |
2011-07 | 4 | 14(8) | ― | 12(8) | 12(8) |
2013-07-21 | 4 | 8以上 | ― | 8以上 | 8以上 |
2014-07-19 | 4 | 8以上 | ― | ― | ― |
2020-06-07 | 8以上
気温25℃水温20℃ |
8以上
気温26℃ 水温23℃ |
8
気温27℃ 水温25℃、 |
― | 8
気温30℃、水温26℃ |
2021-06-06 | 8以上
気温17℃ 水温15℃ |
8
気温18.5℃ 水温19℃ |
8
気温17℃ 水温18℃ |
― | 8
気温30℃ 水温24℃ |
2022-06-05 | 8
気温 21度 水温 16度 |
8
気温 23度 水温 18度 |
8(8)
気温 24度 水温 20度 |
14(8)
気温 22.5度 水温 21度 |
*CODの数値が例えば14(8)と表示してあるのは2倍希釈した値が14で、希釈なしでは(8)であることを示している。
参加者の感想
「今回水質調査に参加して、下水処理場から水が出て来るところの前と後ろで結果が違うということに衝撃を受けました。また、川の水に洗濯らしき泡が浮かんでおり綺麗な川とは言いがたいと感じました。川の水に少し触れたときにとても冷たく、夏に泳げたら良いなぁと感じると同時に、川の水が汚いためそれが出来ないと感じました」(ウッシーさん)
前回参加した5歳の息子が「また参加する」と言うくらい楽しみの企画です。続けて参加することで自分が暮らすまちの自然に意識が向くようで最近は「川に落ちちゃったゴミを拾いたい!」と言っています。日々できることを息子と話し合っていきたいです。(Aさん)
5歳の娘と初めて参加しました。ちょうど川や海のつながり、ゴミ問題も認識し始めた頃に子どもと参加できたことが良かったです。家の近くの川をじっくりと見る機会はなかったので、いろいろな発見がありました。娘は参加した後から、川が汚れていると「緑の川ダメだねー」「ピンクの川には蛍がいるかもしれないね」など、調査した結果の色で話すようになりました。親子共に環境問題に目を向ける良いきっかけになりました。(Mさん)
中野ネットメンバーは5月の選挙戦を終えて久しぶりの屋外での調査活動でした。今年の全国一斉水質調査は、お天気にも恵まれて、幅広い世代で楽しみながらの取り組みになりました。