「桃園川緑道」〜私の好きな中野、残したい中野〜
わたしが特に馴染みがあるのは杉並区境、西田橋から大久保通と交差する宮園橋までの「上流部」です。まとまった緑地の少ない地域にとって四季の移り変わりを感じる貴重な緑の回廊、人気の散歩コースです。
桃園川は、昔は杉並区天沼に源流をもつ河川で、幾筋化の小川が統合されて農業用水として使われていたそうです。戦前は子どもたちの遊び場を提供していましたが、戦後の人口増加とともに汚れてどぶ川と化してしまいました。
昭和40年代から暗渠化がすすみ、今では地下は桃園川幹線という下水道として、地上部は緑道として整備されました。桃園川が地上に姿を現すのはわずかに神田川と合流地点のみです。
人間の都合で下水に転用された川の境遇は、スタジオジブリの「千と千尋の神隠し」に出てくる「琥珀丸」のようです。もう一度、川のせせらぎに戻せたら……と夢を描きつつ、今ある桃園川緑道を大切にしたいです。