公園の遊具更新は、住民と一緒にコンセプト作りから—新井薬師公園、城山公園の遊具更新について要望書を提出
このところ区内各地域で公園遊具の更新が行われています。区民の意見聴取が行われてはいるものの、利用者の方からは「以前あった遊具がなくなっている」、(新しい遊具に対し)「なぜこの遊具に更新されたのか?」など様々な声をお聞きしています。
中野・生活者ネットワークは、先日開催された新井薬師公園、城山公園の遊具更新についての意見募集の説明会に参加し、その実施方法、その後のプロセスについて、酒井区長に以下の緊急要望書を提出しました。
中野区長 酒井 直人 殿
新井薬師公園、城山公園の遊具更新についての緊急要望書
記
1、今回の意見募集で出た意見を中野区のホームページで公表して、今回の遊具更新のコンセプトを住民とともに考える機会をつくってください。
2、更新案4つ目の更地にした場合、どのような遊びを想定しているのかお示しください。
3、現状の遊具と同じもの、あるいは同様の目的のもので更新できないのでしょうか。できない場合、なぜできないのかご回答ください。
4、遊具の更新は、要望1を達成してからにしてください。
【理由】
7月31日、8月1日に新井薬師公園で、8月2日、3日に城山公園で開催されました「遊具更新についての意見募集」は、設計業者と区の担当者が4つの更新案を示したパネル展示をもとに説明を行ない、希望があればアンケートに記入するというものでした。
「意見募集」を現地で小学生の遊ぶ時間帯にも行った点は工夫が感じられたものの、パネルを見るだけで内容を理解することは困難ですし、アンケートの取り方も積極的に意見を聞こうという姿勢が感じられませんでした。そもそも、この2つの公園の遊具は安全面に問題があり更新が必要と判定したとのことでしたが、更新時期を迎えたからなのか、経年変化で危険であるのか、安全基準から外れた遊具であるのか等十分な説明がありませんでした。
新井薬師、城山公園の遊具は子どもたちが大好きな木製で形も独創的です。幼児から小中学生まで遊んでいます。修繕して再利用という選択肢があっても良いはずですが、4つの選択肢の中にはありませんでした。
最近、拙速な公園の遊具更新の工事が目立ちます(例えば「上高田台公園」)。近隣の利用者に意見を聞くことも説明もなく、業者と区役所内だけで設計・施工が実施されたことは記憶に新しいところです。また、せっかく意見を言っても、想定外の遊具に更新された公園もあります。
25年前の上高田台公園の改修では、町会や関心のある区民と区で建設委員会をつくり、時間をかけて何度も話し合い改修案をまとめました。そうしたことで地域住民は関わった公園に愛着を持ち続けます。
今回提示された4案のうち3案は形を変えた既成遊具を据え付けるものです。どこの公園もこの4案で更新してゆくのであれば、特色ある公園づくりとはならないのではないでしょうか。特色ある公園づくりは、時間をかけた地域住民(近隣住民、関心のある区民、子どもを含めた利用者)との関わりによって生まれるものだと思います。
酒井区長は中野区を「子育て先進区にする」と公約して当選されました。子どもの遊び場・居場所に関わる中野区公園行政(遊具の更新のみならず)のあり方を今一度立ち止まって再考し、公園づくりに区民の意見を反映していただくことを要望いたします。
2020年8月14日
以上
新井薬師公園の遊具更新案(中野区のサイト)
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/504000/d029188_d/fil/200720.pdf
城山公園の遊具更新案(中野区のサイト)
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/504000/d029187_d/fil/200720.pdf