気候変動待ったなし! 再エネの推進を!

8月5日「自治体の電力調達と気候変動政策」のオンラインセミナーが開催されました。
(自治体の電力調達調査報告書については7月17日の投稿を参考にしてください。 )
当日の動画は以下からご覧になれます。

「自治体の再エネ100%化に向けて世界は」

はじめに、グリーンピース・ジャパンの鈴木かずえさんから、次のような報告がありました。
近年発生している大災害は気候変動によるもので、ここ数年二酸化炭素CO2など温室ガスの削減が進んでいない。このまま何の対策も取らなければ、2040年には気温が2度あがり、海面は6m上昇して、東京では江戸川など水没する地域がある。
(IPCCのグラフの縦軸の2度をよこにたどると予測がわかります。
https://www.jccca.org/ipcc/ar5/img/wg1_04.jpg参照)

現在世界では、RE100(自然エネルギー100%)を目指している国は318にのぼる。解決策としては、省エネ・高効率化と自然エネルギーの推進である。

自治体議員としての働きかけと対話

東京・生活者ネットワークの吉田ゆみこ品川区議会議員は、「調査をすることで、品川区だけではなく他の自治体の様子も分かった。この調査結果を地域でも共有し、議会提案にも繋げていきたい」と抱負を述べました。

自治体の電力調達と環境配慮―調査から見えてきたもの

まとめ役のFoE Japaの吉田明子さんは、2019年と2020年の調査結果報告と考察、これからに向けて、市民の意識改革(パワーシフト)と行政への提言を発表しました。

自治体の事例報告

*庁舎や公共施設での再エネ100%調達
世田谷区:「せたがや版RE100」を掲げ、区内発電や自治体間連携で、2050年までに 区有施設の再エネ100%調達をめざしていて、2020年度からは、第1・2・3庁舎で再エネ100%達成。全体的に見て、エネルギー単価は下がっている。

品川区:「みんなで育てる環境都市」を掲げ、区有施設のエネルギーの低炭素化を図っている。2020年度、新しくなった障害者施設や他の5か所で再エネ100%調達。41の区有施設で太陽光発電をしている。

*東京都の「ゼロエミッション東京戦略」
命に係わる気候変動を食い止めるため、ゼロエミッション東京(2050年までにCO2の排出0)を掲げ、2019年度8月から第一庁舎の電力を再生可能エネルギー100%にした。

▼参考(本セミナーはこれらの調査結果をふまえ実施いたしました)
「自治体の電力調達の状況に関する調査(2019)」
http://power-shift.org/jichitai_report2019/
「東京都内自治体の電力調達の状況に関する調査2020」
http://power-shift.org/jichitai-tokyo-2020report/

現在、私たちは直近の緊急課題としてコロナ禍に目が行きがちですが、コロナウイルスの蔓延は気候変動の影響があります。またコロナウイルスで人類が滅亡することはありませんが、気候変動は人類の持続可能性を脅かす大問題と専門家は言います。省エネと自然再生エネルギーの普及を進めましょう。(田辺)