中野・生活者ネットワークの水曜サロン 「中学生のこころと身体に寄り添って」
9月30日に都内公立中学校の養護教諭の方にお話して頂きました。
養護教諭というと、保健室で具合が悪い子どもを迎えて、優しく看護するだけかなと思いきや、修学旅行の付添、インフルエンザなど予防注射の手配、身体検査やそのお知らせの作成、不登校の子どもたちのお話を聞くことから、担任教師や家族に伝えること、そして「特別支援教育」まで多岐にわたっているそうです。
先日の東京新聞によれば、「教師は忙しく一日12時間学校にいる教師も少なくない」うなずけます。
都会の子どもは広い公園も少なく、思いっきり体を動かすような遊びを経験していないためか、体力が無く、持久走や水泳などをパスする子が増えているそうです。またベッドの生活で畳の上ででんぐり返しの経験もなく、マット運動でけがをする子が後を絶たない状況で、住環境の変化も子どもの体を軟弱にしていることがわかりました。
携帯電話の普及で、コミュニケーション能力の低下が著しいこと。人と関わらなくても、時間が過ごせるので、何かが起こった時の身の処し方を学ぶ術がない。携帯は校内禁止としているが、ラインやメールでどこまで自己規制ができるか、しっかりと距離をとる意思のある子もいれば振り回されてしまう子もいる。
また、褒められることがない子どもは、自己肯定感を感じられなく、1つダメだとすべてダメと自分で烙印を押してしまう傾向がある。
そして「子どもの食に大人が関わらなくなっている」 という発言には衝撃を受けました。夫婦共働きで子どもにお金を持たせて、適当にどこかで食べなさいとお任せの家が増えてきた。大勢でご飯を食べることはコミュニケーションを食べることでもあると改めて教えて貰いました。
また親が外国籍で、さらにシングルやメンタルの病気を抱えていたりすると、親を気遣う子どもも増えている。子ども時代をしっかり過ごせないまま大人になってしまう危うさを感じていると話す。総じて今の学校は保護者と子どもをお客様にする傾向があり、一歩踏み込めないようだ。
今の子どもは我慢しているので、限界を超えるとキレる。特に中2病の子は自傷行為にまで及ぶ。
間違ってもよいし、大人も間違うことをもっと知ってほしい。
武蔵野東小学校は、アスペルガーなどの発達障害の子どもと普通児を一緒に受け入れているそう。学びのスタイルは多様で良いし、いろんな子どもがいる公立校では、生き抜く力が養われるのではないかと感じているとのことでした。
盛り沢山で多くの発見があり、考えさせられるサロンだった。 大橋美紀