原発に頼らないで、地球温暖化を防ぐには?~創エネ講座第2回目~

2013年2月24日(日)に開催されたNPO中野・環境市民の会の講座に参加した。

講師は田中稔「NPO法人太陽光発電ネットワーク(PV-Net)」さんと

   山崎求博「足元から地球温暖化を考えるネットえどがわ(足温ネット)」さん

 第1部のお話は以前から環境活動をされていて、2012年7月太陽光発電の全量買い取り制度スタートで設備投資に対する回収が短期化したことで、都内で実際に市民発電プロジェクトの立ち上げに関わっているお二人からの話で、解りやすく次に繋がるもので、また「やりながら考えていく」スタンスも勇気が湧くものでした。

 田中さんは「市民ソーラーのススメ」と題して、始めに自宅につけた太陽光発電について、電力モニターで発電量や消費電力が見え省エネ意識も高まる楽しい「ソーラー生活」の紹介。ついで「小平ソーラー 市民発電所」について

①   市民がお金を出し合って、太陽光発電所を設置する。作った電気を電力会社に打って地域にグリーン電力を供給し、売電収入を市民(出資者)に還元する。

②   天変地異などがなければ、少しお得で幅広い参加の可能性が見込めるし、自宅に設置できない人もグリーン電力の普及に貢献できる。

③   2012年4月「こだいらソーラー」を立ち上げて、1号機を近しい人からの借入で設置、2012年2月に稼働した。

④   課題は、市民からの出資金集め。合法的にあつめるようにしたい。

そして「今なぜ、市民ソーラーなの?」の問いには「原発に頼らない地球温暖化緩和」。もっと多くの人に温暖化の脅威を知ってほしい。年間で出しても良いCO2の量は1.7トン/人なのに、1人当たりの排出量が世界3番目の日本では9.6トン出している。豊かさを求める人とそのせいで被害を受ける人がいる、これは原発と同じ構造。

市民発電なら「○○公民館に設置するソーラーに出資を・・・」「マイパネルを持ちませんか?」「順調なら年2%の配当」という風に誰でも参加できる可能性がある。

 

「温暖化が進むと、海に沈んでしまう江戸川区から来ました」と笑わせて話を始めた山崎さんは「エネルギー自治に向けて」と題して足音ネットの市民立発電所や省エネの取り組み。ついで、出資型市民発電プロジェクトを立ち上げ「えど・そら1号」を設置。やはり問題は出資金の集め方。不特定多数から出資を得るのは金融商品取扱事業者の資格を有する者でないとならないなどで会員からの借り入れになった。しかしゆくゆくは発電所を増やし、江戸川市民電力にしたいそう。ドイツの小さな都市シェーナウに視察に行きその思いは強くなった。シェーナウでは市民がチェルノブイリ原発事故を機に省エネ推進と再生可能エネルギーの導入を電力会社に求めたが拒否され、配電網を買い取り、自分たちで電力会社をつくった。その1年後にドイツは電力自由化が実施されシェーナウ電力は成長している。

日本では電力の自由化がなされていないが、あちこちで、小さな発電所が出来ることで、前に進める力になる。「まずは地域におけるエネルギーの自治の機運を醸成する動きづくり(普及啓発・データ-集積と分析・市民発電事業の立ち上げ)エネルギー自治を担う人材育成が必要でないか。」と結ばれた。

第2部の中で、地球温暖化では生易しい「地球高温化」ではという意見や、町会はお金を沢山持っているので、初期投資に出せるのではないか、マンションでも積立金がたまっていたら市民発電所をやってみたら良いのでは。防災時にも良いし、多少儲かるよというのはどうでしょう。・・・合意形成がむずかしいかも・・・など話が膨らんだ。

田辺雪子