身近な川の水質調査結果から見えてくるもの

〜身近な環境を考える・身近な川から調べよう〜

去る平成21年9月30日、北東京生活クラブ生協まちづくり委員会が生活クラブ練馬センターで開催した学習会に参加した。講師はAMR事務局長、全国水循環マップ実行委員会事務局代表の高橋克彦氏。

私たちが毎日見ている天気予報が古代中国に起源をもっていることや、東京は過去100年間に気温が3度上昇し、その内地球温暖化によるものが1度、都市化によるヒートアイランド現象によるものが2度であることを知った。
東京のヒートアイランドを図で見ると幹線道路やビル群の付近が高く川やみどりの多いところ(皇居や大きな公園)が低くなっていることに驚いた。川の水や付近の緑は大切なアメニティだったのです。京都は海風を呼び込んで風の道を作り東京を冷やす計画を立てているそうだ。高層ビルの建て方や建てるなら、公開空地にみどりを植えたり、屋上緑化で野菜を作ることも考えたい。「中野にも海風が届くようにしたい!」との声も。

地球温暖化の原因はCO2によるものと、原生林の伐採・消失によるものとがある。温暖化のせいで世界的な異常気象がおこっている。近年、日本の降雪量が減ってきており、将来雪不足が水不足につながり、河川の環境も大きく変化するかもしれない。一方で集中豪雨の回数はふえている。東京では五月晴れの日が減り、沖縄の入梅も早まっている。

今年で3年目になる身近な川の水質調査だが、私たちが行なった簡易調査結果は国や東京都で行っている調査結果とほぼ同じ数値を示した。また全国で調査を行っている市民と繋がっている事にわくわくした。
調査結果から、川の自浄作用や下水処理施設からの排水問題、護岸工事による影響など様々な事が見えてきた。川の水の汚れは生活の影響を受けるので生活廃水削減に注意することや雨水を地下に戻す雨水浸透マスの普及など下水処理施設への負荷を軽減する事の大切さも学んだ。
 私たちの水質調査も季節や年を変えて継続して行なうことで調査地点の川の様子の変化が深く理解でき、環境問題を考えることにも繋がっていることも分ったのです。
        (7月29日のホ—ムページに今年の川調査の事が掲載されています。)             田辺雪子