中野ネットでは、8月1日コミュニティスクール・まちデザイン理事長の近藤恵津子さんを講師に「食の学習会」を行いました。
中国の冷凍餃子事件以来、毎日の食卓にのぼる食品がどこでどのように生産されたのか、食材を購入する時気をつけている人も多いのではないでしょうか。日本の食料自給率は39%(カロリー換算)と言われる現在、では61%もの輸入品はどこから来ているのか、どこで消費されているのか、表示のからくりとはどんなことなのかを中心に話していただきました。
まずはクイズから、3種類のメニューの材料についてどこの国から輸入しているかを国の貿易統計を基に、品目別に上位輸入国を参加者で考えました。エビ(ベトナム)や小麦粉(アメリカ)などは正解出来ましたが、鶏肉(ブラジル)やトマト(韓国)など予想もつかない国もありました。多くは外食産業と加工食品の原料として表示が義務化されていないところで使用されているため、私たちに輸入品を食べている実感がありません。表示制度についても厚生労働省—食品衛生法、農林水産省—JAS法など管轄と主旨・対象食品・表示すべき内容も異なっています。調味料の「醤油」では遺伝子組換えかどうかを表示しなければなりませんが、加工品を製造する時の味付けで使用する「醤油」は「醤油」の表示だけで良いのです。しかも遺伝子組み換え食品を原料の5%までは混ぜても「遺伝子組換えでない」と表示して良いとされています。
農薬については農薬使用の表示義務がなく何をどの位使っているのかわかりません。抗生物質も病気予防や抗菌剤として農作物や動物用医薬品として使用されていますが、表示の義務がありません。病院での年間使用量500トンに対して農畜産物での使用量が1200トンにもなるそうです。
食品添加物は1400品目が認可されていて表示方法が紛らわしく、何種類か使用の時「〜等」と表示ができ、まとめ書きも可能です。これでは表示されている内容を消費者がどの位理解出来るか疑問です。知らず知らずのうちに物凄い量の薬品を摂取している事がわかりました。
参加者から自分は高齢でこれから子どもを作ることは無いから気にしないという考えもあるとの発言がありました。しかし次世代を担う子どもたちやこれから産まれてくる赤ちゃんたちのため、たとえ私たち消費者が食品添加物のことがわからなくても、安心安全な食が提供される仕組みが必要という事、私たち消費者が安全なものが食べたいと企業や生産者に声を上げていく事(企業のお客様係りに電話!)が重要であると再確認しました。