杉並区の東田小学校の校庭芝生化見学記

芝生化には地域の支えが不可欠です!

 8月5日大雨の中、杉並区の東田小学校の校庭芝生化を他の地域ネットのメンバーと見学して来ました。
杉並区では平成13年から19年までに11校が芝生化しており、(校庭の全面7校、サブグランド3校、周囲のみ1校)20年には3校分が都からの補助をうけて予算化しています。東田小学校では13年に杉並区で初めて校庭の芝生化を行なった和泉小学校の副校長先生が校長として赴任され、ノウハウを持っていたこと、地域の親父の会やPTAなどサポート体制もあり、芝生の管理委員会もきちんと機能しており(5〜6月は毎週土曜の朝30分の芝刈り作業あり)全面が青々ときれいな芝生でした。
 施工費は約5000万円、維持管理費は年間約300万円かかります。施工と3年間の維持管理費用は東京都が出しますが、それ以降の維持管理費は状況をみながら区で対応していく(5年から8年毎に行なう芝の張替えは、透水菅やスプリンクラーなど土台が出来ているので費用も余りかからない)事になります。
 東田小学校は昨夏プールが始まって運動場を余り使わなくなった時に施工し、夏休みは養生、2学期から使用しました。
 芝には夏芝冬芝とあり、冬は夏芝が枯れるので運動会が終わった後冬芝の種を蒔きます。夏芝の根は残り翌年また芽が出てきます。高麗芝や、ティフトンなど様々な種類の芝がどんどん改良されて柔らかく(ビロードのよう)子どもたちははだしで駆け回ったり寝転んだりして遊んでいるそうです。禁止事項は特に無くオオナワ等は芝にマットを敷くなどの工夫でクリアしています。今まで校庭に出なかった子どもたちも遊ぶようになり、土に比べて擦り傷が減ったそうです。
 アサガオ、ゴーヤ、ヘチマの緑のカーテンもありました。
 芝生化は校庭面積が児童1人あたり5㎡以下では運動によりすり減ってしまうので不適。また中学校では、子どもの運動量が大きいので不適だそうです。
中野区では現在2つの小学校で実施。今年は4校(神明・本郷・啓明・江原小学校)で施工中です。平成29年度までに全小中学校で導入といっています。
 東京都では、全小中学校芝生化で緑を増やし温暖化防止、環境教育にもなり、地域のコミュニテイ作りを目指しているとのことですが、中野区では地域のサポートを得るのがなかなか難しく副校長の仕事が増えるばかりとも聞きます。この4校も芝生管理の組織はまだ立ち上がっていない状況。卒業生など若い力を活用し、継続して地域で支える組織作りが課題です。
               環境部会  田辺雪子