コロナ禍でも、音楽をあきらめない! まちなかサロン「メリーさんのひつじ」の挑戦
「まちなかサロン」ご存知ですか? 乳幼児親子から高齢者まで、区民が気軽に集える「憩いの場」で、現在区内に33か所のまちなかサロンがあります。その中の一つで、中野・生活者ネットワーク会員の檜垣敦子さんが運営する「メリーさんのひつじ」の活動をご紹介します。
童謡、唱歌、抒情歌、フォークソングなどを歌う
2015年5月20日、「お腹の底から声を出してすっきりする」「みんなで声を合わせて歌う」をコンセプトにメリーさんのひつじが誕生しました。名前は、初年度が未年だったところからつけました。毎月第1・3水曜日の午後、新井区民活動センター音楽室で活動しています。
歌うのは、子どもの頃や青春時代に歌ったり、聴いたりしたことのある童謡、唱歌、抒情歌、フォークソングなど。歌う前には一曲一曲の誕生と時代背景を解説しながら、その曲を知った時の思い出を含めて話をして、その後ピアノの伴奏でみんなで10曲を歌います。当初はリトミックで体をほぐしをしてから始めましたが、参加者の高齢化とともに椅子に座ってできる体操に変化していきました。
コロナで活動を休止
2019年11月~2020年2月までは、新井区民活動センターの改修工事のためにピアノのあるスタジオを借りて行いました。スタジオは狭いので第1と第3水曜日に振り分けて、参加者にとっては月1回の活動となりました。
改修工事終了後の3月には新井区民活動センターで元のように活動できるとみんなで楽しみにしていましたが、新型コロナのため休むこととなりました。
サロンがお休みの間はスタッフ9人と連絡をとりながら、いつも楽しみにしている人たちへの電話かけをしました。
「歌う」から「音楽を楽しむ」にシフト
7月からは規制がありながらのゴーサインに、スタッフ会議を開いてサロンを再開するかどうかを相談しました、社会福祉協議会の「まちなかサロン開催における新型コロナウイルス感染防止基本方針」と、新井区民活動センターの感染予防の対応について読み合わせをして、活動を止めるか、規制を考えたうえでやれることがあるかを考えた結果、歌う会だけれど、音楽を楽しむということにシフトして行うことになりました。
前半はピアノ演奏、リコーダー演奏を30分鑑賞して、10分間の換気を行う。お茶など飲み物は各自に持ってきてもらう。後半は、16音あるインドネシアの竹の楽器「アンクルン」の演奏をしています。
楽器の貸し借りはできないので、消毒した「アンクルン」を並べておいて各自に取ってもらい、間隔をあけて音階ごとに並び、持ち方、できるだけきれいな音が出るようになることから始めていくつかの曲をやってみると、竹のいい音が出るようになりました。みんなが気に入って、今では6曲くらいできるようになっています。
30年前に私がインドネシアからキッドを取り寄せて自分で組み立てたアンクルンが、こんな形で生かされるとは考えてもいませんでした。
指揮をする私は部屋の端から端まで走るので1曲終わると息切れがします。9月16日からはフルートとピアノの演奏が始まっています。
参加者の皆さんからは、今度舞台に立つことがあればこのアンクルンの演奏で出たいという声も聞かれます。
今後は、歌えるマスクを使用して、徐々に歌う会としての活動を再開しようと思っています。
「メリーさんのひつじ」オーナー 檜垣 敦子