「幸せな暮らし」の根っこは、命、健康、環境

グローバル化時代の新たなリスク、新型コロナウィルスについて

工事前の平和の森公園草地広場。東側の体育館、南側の300mトラックがもうすぐ竣工する。 この素晴らしい景色は2度と見られない

年初に中国武漢で発生した未知の感染症、新型コロナウィルスは瞬く間に世界中に伝播して猛威を振っています。日本国内では4月7日の緊急事態宣言発令により、都市生活は停滞し、自宅から一歩踏み出すにも躊躇をするほど分断されています。新型コロナウィルスは、仕事や観光による人びとの地球規模での頻繁な移動が疫病をも拡散するグローバル化時代の危うさを圧倒的な形で現しました。

しかし、地球規模の疫病の蔓延は、多くの先人が(人口爆発、資源の枯渇、環境破壊と汚染、温室効果現象とともに)いずれ訪れる「人類の危機」のひとつとして警告してきました。その主な原因が日本を含む欧米型社会の貨幣経済を第一義として、化石資源への過度な依存による飽くなき発展を目指していることにあると指摘してきたことです。この半世紀間に起こった世界規模の危機(エネルギー危機、バブル経済の崩壊、同時多発テロ、リーマンショック、福島第一原発事故、気候変動)は先人たちの警告を裏付けています。そして現在、私たちは新型コロナウィルスという新たな脅威を経験しています。

新型コロナウィルス禍収束後、私たちは経験から何を学び、どのように安全な社会の構築と生活の立て直しをしていけるでしょうか? これまで通りの価値観のまま医学、科学技術と経済政策の力にのみ頼って解決したとしても、近い将来新種の疫病が発生すれば、より強大な危機に出会うかもしれません。危機を低減・回避するため市民一人ひとりにできることは、人類がつくり変えた脆弱な地球環境を理解し、その修復に責任ある行動をとることです。

今、市民としてできること……
危機を乗り越えて「コロナ・レガシー」をのこす

コロナ禍での外出自粛、非常事態宣言下での生活は、困難を抱える人たちにより過酷な状況を強いていることを露呈させています。家にいようと言われても、家がない人、家にいることが危険な人、非正規雇用で真っ先に仕事を失う人、障がい者や高齢者など介護を必要としている人たちの人材の確保がより難しくなっていることなどです。平常時から、誰にとっても生きやすい社会をつくっておかないと、非常時に命を公平に大切にする社会は構築できないということをつよく実感しています。

不幸中の幸いなことに、新型コロナウィルスは「幸せな暮らし」の優先順位が命、健康、良好な環境にあることを端的に示してくれました。見通しがきかないなかでも分かってきたことは、まず手洗い、うがい、咳エチケット、三密(密接・密集・密閉)をさけることが自らの身を守り他者と社会を守り、医療崩壊を防ぐということです。さまざまな立場の人たちや友人たちがさまざまな通信手段を通して手洗い方法や生活の知恵を発信して励まし合うようになりました。

新型コロナウィルスを乗り越えた暁には、人びとの他者を思いやる気持ちと手洗い・うがい・咳エチケット……を新型コロナウィルスが残した習慣「コロナ・レガシー」として語り継ぎ、新たな疫病の脅威に備えたいものです。

中野・生活者ネットワークの今後の活動

中野ネットは、現在、三密を避けるためにこれまでの顔を合わせ行っていた会議や実践活動の休止を余儀なくされていています。私たちが求めてきた人びとが集まり顔の見える関係での「市民自治」は、非常事態宣言下の外出自粛で」困難になり、新しいやり方を必要としています。

しかし、「幸せな暮らし」の根っこにある命と健康、環境保全はまさに生活者ネットワークが長年主張してきたことにほかなりません。

特に臨時休校が始まって以来私たちが改めて注目していることは、子どもの居場所・遊び場として重要な公園・緑地が中野区では非常に不足していることです。緑地・公園は人びとの生活に潤いを与え、都市水害のリスクを軽減するグリーンインフラとしても大切です。これからのコロナウィルス後の社会構築に向けて、生活者の立場から命と健康、環境を大切にする提案をしていきます。ホームページでさまざまな発信をしていきますのでぜひ時々お訪ねください。そしてどうぞご一緒に活動していきましょう。