これからは、エネルギーは外から奪うのではなく、内で作り出す時代

太陽光発電報告会兼学習会 

8月7日、生活クラブ東京・環境政策委員会の主催で行なわれた太陽光発電報告会兼学習会に参加しました。会場の生活クラブ館の屋上にはGIAC(財団法人 広域関東圏産業活性化センター)のグリーン電力基金事業からの助成を受け2008年1月に設置した太陽光発電のパネルがありました。また屋上の残り半分は屋上緑化がされ、稲穂がゆれていました。

20世紀の洗濯日和は、21世紀は発電日和!とおっしゃる牛山泉氏(足利工業大学教授)の講演は興味深いものでした。

世界人口の増加と化石エネルギーの需給バランスの悪化で既に20億人分のエネルギーが不足しており、近い将来エネルギーの奪い合いで戦争がおき、不平等な状況が促進される恐れがある。これからはエネルギー狩猟型文明(化石燃料)からエネルギー栽培型文明(再生可能エネルギー)への変換で持続可能な社会を築くこと、外から奪うのではなく内で作り出す事で平和な社会を創ることが重要でかつ可能である。

つぎに環境先進国のヨーロッパの例に触れます。
オーストリアでは国民投票により原子力政策を白紙にしました。戦争で負けエネルギーの自給率が2㌫であったデンマークでは教育(デンマークの教育は詰め込み教育ではなく、最初に根本的な問題を問い、次にそのために何が必要かを考える習慣を養う。親は子どもとの対話により小さい時からグローバルな視点に立って物事を考える努力を促し、学校では児童を社会の一員として教育する)により、国民が自ら考え逆境をばねに風力発電王国をつくった。今では自給率が139%にもなっている。ドイツでは2003年3月に「再生可能エネルギー法」を作り太陽光発電を世界一にした。
どれも始めは草の根的な地域の運動から始まっている。地球規模で考え、地域で行動する。未来について考え、今行動する事が大事である。
エネルギーはその地域にあった方法で生み出す事が大事。日本のエネルギー自給率はわずか4% 日本は降水量が多く、川が多いので小水力発電もエネルギー源とするのが良いのではないか。

20世紀は「いのち」が軽視され、自然を征服・支配・破壊してきた。人間観は利己主義でエネルギーは化石燃料エネルギーと原子力エネルギー、持続不可能な経済成長至上主義で貧欲と戦争(暴力)があった。これを踏まえ
21世紀は「いのち」を尊重し、人間は自然の一員と考え、人間観は利他主義でなくてはならない。エネルギーは再生可能エネルギーで脱経済成長主義、知足で平和な世界を築く事が必要。

その後太陽光発電を進める立場からエコメッセ練馬の新藤絹代さんからの話の中でも足利工業大学の先生にお世話になった話があり、足利工業大学では「知的財産の出前」で気軽に講師を派遣してくださるとの事に感銘を受けた。

このエコメッセ・練馬「元気力発電所」では「市民発電所3号機」を設置するために今寄付金を募っている。1万円以上寄付すると「東京三育小学校」の太陽光パネルの裏に名前と希望のメッセージを貼ってくれる。お子様のお誕生や入学記念に、たとえば定額給付金で、「未来の地球へのプレゼント」はいかがでしょう。

郵便振替:口座番号 00130−1−610221
口座名:特定非営利活動法人エコメッセ
振込用紙に必ず「市民発電所寄付」とお書き下さい。
問合せ:エコメッセ練馬 元気力発電所石神井店 TEL/FAX 5393-5944

                      田 辺 雪 子