それは、海や川で貝採りや魚釣り、水泳などをして自然を満喫する。隠れん坊や缶けり、時にはけんかしながら友だちと遊び回る。子どものころのそんな外遊びの体験が豊富な人ほど、物事への関心や意欲が強く、本をよく読み、最終学歴が高く、収入が多い。そんな大人に成長していたというわけだ。活発な外遊びが子どもの知的好奇心や探求心を刺激し、やる気の原動力になる傾向がはっきり見て取れた。
日本学術会議も外遊びの重要性を強調し、子どものコミュニケーション能力や考える力を養うには「群れて遊ぶ空間」が必要だとの提言をまとめている。
都会では自然や原っぱ、空き地は少ない。例えば、地域住民が運営する「冒険遊び場」に目を向けてはどうか。
三十年余り前に東京都世田谷区に登場し、今では全国で約二百五十団体が冒険遊び場を設営している。
禁止事項はなく、たき火や穴掘り、木登りもできる。大人は見守り役に徹して口出しはしない。子どもは自由に遊びを考案し、自己責任で遊ぶ。それが鉄則だ。
遊びの視点から子どもの教育をとらえる研究をもっと深めていくことも大切だ。
東京新聞の社説 http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2010082502000057.html