第2回都議会定例会 都政情報 ②

「東京都地域防災計画」の改訂にむけて

3・11東日本大震災以来、地震への対応、備えに対する関心が高まっています。東京都議会では、今年の春、「防災対策特別委員会」を設置。首都圏直下型の大震災を想定した防災対策が話し合われてきました。

◆子ども・女性への対策が足りない!

3・11東日本大震災と続く福島原発事故で明け暮れた昨年。避難所生活が長期化する中で、被災者はたいへんな苦労を強いられてきました。とりわけ、高齢者や乳幼児を抱えた母親、病人、障がい者、外国人など困難な状況に置かれやすい人々が、不自由な生活に追いやられています。
地震発生後の3月16日、内閣府男女共同参画局は、「女性や子育て家庭の被災地での避難生活を安全・安心なものにし、被災者の肉体的・精神的負担を緩和する」よう発信。被災地での避難所運営体制への女性の参画、女性の医師・保健師による相談サービスの提供、乳幼児への対応やトイレの安全な環境整備などを要請しましたが、現場では、それを受け入れるだけの余裕もなく、支援にあたったNPOが働きかけても、断られる場面が多かったと聞いています。
これらは、阪神淡路大震災以来、私たちが主張してきた視点であり、都の地域防災計画の改訂にあたって、生活者ネットワークとして強く要望。避難所運営への女性の参画、災害弱者への配慮なども盛り込み、取り組んでいくことになりました。
さらに、子どもの被災状況については、これまでも明確にされてきたとはいえず、対応が先送りされているのが実情です。子どもの気持ちに寄り添って考えると、本人の心身の健康に加えて、住宅の倒壊、保護者や家族の死亡、けが、病気、失業など暮らしの変化にどのように立ち向かえばよいのか、その困難ははかりしれません。
子どもには、学校や家庭だけでなく、遊び場や安心できる居場所の確保、相談したり話したりできる友人や信頼できる大人の存在が欠かせず、子どもの生活全体を見通した支援が必要です。地域防災計画の見直しにあたっては、子ども自身の意見や思い、子どもに関わる活動をしている人たちの意見をきちんと取り入れるよう要望しました。

◆首都直下地震による被害想定 震度6弱から6強に見直し

4月に発表された都の被害想定では、最大震度7とともに、震度6強の地域が広範にわたり、死者は9700人と予想されています。都は、都民に対して防災隣組の構築として自助共助の取り組みを促していく構えですが、なにより、さらなる減災対策を示すことが重要です。地域住民にもっとも身近な区市町村との連携を強化し、それぞれの抱える課題や取り組みなどを聴取の上、地域防災計画の改訂に反映し、実効性のある防災計画を示すよう求めました。
この秋には、改訂された東京都の地域防災計画が発表されます。生活者ネットワークは、いつ起こるかわからない震災に対して、万全な対策を講じていけるよう都議会での議論を進めていきます。