西武新宿線地下化への期待
今後、西武新宿線(新井薬師駅~沼袋駅~野方駅)の地下化により、地上部には線路跡地の細長い空間が生まれます。帯状の跡地をどのように利用するか、どのようにまちづくりに生かせるかは、地域の長年の課題であり、今、改めて関心が高まっています。
これまでも新井薬師・沼袋・野方の各地域では協議会が開催されてきましたが、工事が遅れていることからまだまちづくりのイメージが見えません。
緑地が少ない中野だから、せっかく生まれる土地では緑を増やしたい!そんな思いを巡らしていたところ、お手本になる好例と出会いました。
小田急線の(東北沢駅~下北沢駅~世田谷代田駅)地下化に伴い当該地域の関係者が「下北線路街」という緑豊かな素敵な空間を作ってきたことを知りました。
筆者が参加するNPO法人中野・環境市民の会は、1月29日に「私たちの生活に密着するグリーンインフラ フィールドワーク編~緑豊かな下北線路街を歩いてみよう~」と実地見学会を開催しました。
講師の向井隆昭氏(小田急電鉄まちづくり事業部本部エリア事業創造部課長代理)によると、地下化は2013年から始まり2019年に完成。2016年に北沢PR戦力会議の第一階全体会議がはじまりました。小田急電鉄は区の要請で事業者として区民・区とともに200回余りの協議を重ねました。小田急電鉄はコミュニティシップ(説明が必要)という立場をとり支援に回りました。
下北線路街 はまだ未整備の所も一部あり、全完成は2028年とのことです。
今回見てきた下北線路街全体の緑は小田急の委託をうけた株式会社フォルクが管理していますが、通路には緑が植えられ、廃棄線路を利用したベンチもよい感じでした。そして以下のようなスペースがありました。
・北沢さんきゅう広場:みんなでつくる自由な遊び場でいろんな企画を開催するス
ペース。訪ねた時はテントサウナを開催していた。
・BONUS TRACK(ボーナス・トラック):住居併設の飲食店や物販店をはじめとした
新しい商店街。新たなチャレンジをする個人の商いや若者のチャレンジを応援する長屋
・reload:店主の顔の見えるセレクトショップなど個店が集まる次世代型の商業ゾーン。
・世田谷代田 仁慈保幼園(地域とつながる保幼施設 コミュニティの場)
・ののはら:下北園藝部(緑化・ガーデニングを企画運営する区民の団体)が管理する
草っぱらで、いろんなイベントもある。
他にもMUSTARD HOTEL SHIMOKITAZAWA(都市型ホテル)や由縁別邸 代田(温泉旅館)などなどです。
下北線路街はとても素敵!地域の方々、親子連れ、そして若い人たちが大勢集まり活気がありました!
西武新宿線地下化後の線路跡地のまちづくりは、まだまだこれから、協議を重ねて新たな地域の魅力にできると希望が持てました。 (田辺雪子記)
お知らせ
NPO法人中野・環境市民の会は「私たちの生活に密着するグリーンインフラ~緑豊かな下北線路街を歩いてみよう~」の実地見学につづきコミュニティシップについての詳しいお話を聞く講座を企画しています。
私たちの生活に密着したグリーンインフラ 講座編
下北線路街プロジェクトに学ぶまちづくり
~コミュニティシップ 挑戦する地域 応援する鉄道会社~
日時:3月16日(木)17時~18時45分
於:都生協連会館3階 会議室