原発と安全保障〜都知事選を終えて 孫崎 享×飯田哲也に参加して

3月8日 「原発」都民投票の会主催の集会に参加しました。
お二人が日本の報道の統制はひどく民主主義が崩壊寸前であることを言っておられたのが印象的でした。

基調講演
飯田哲也さんは、原子力・環境エネルギーの専門家、NPO法人環境エネルギー政策研究所所長。
・山口県徳山市出身。ぜんそく、無機水銀、など公害が揃ってる。なのに、全く報道されてこなかった土地柄(報道統制)で育った。 
・京大に行くとき「赤になるなよ」と言われた。
・既にアメリカの原発製造会社ではこれからは経済的視点からも原発は立ち行かないという声がある。
・「脱原発はドイツに学ぶ」というが、ドイツはチェルノブイリ以降コツコツと進めてきた優等生。日本は何もしないで遊びほうけてきた劣等生。10年を見据えて省エネを頑張り、自然エネルギーを増やしていくようにする。
など話されました。

孫崎享さんは、元外務省国際情報局長で外交評論家。
・石川県小松市出身。一向一揆の歴史を持ち「権力にゴマする人間」を忌み嫌う土地柄で育った。
・チェコ事件の後、モスクワに赴任した経験もものの見方に影響している。
・宮崎駿は引退宣言で「世界がギシギシ音を立てて変化している時代に、今までと同じファンタジーを作り続けるのは無理がある」と言っていた。
・「少年H」のPR「軍事統制も厳しさを増し、おかしいことをおかしいと、自由な発言をしづらい時代へ」 http://t.co/xTPMhznbTO
・「戦後史の正体」20万部ほど売れているが、実は4社から発行を断られていた。日本社会はそんな社会になってしまった。
・新潟県知事の泉田裕彦さんが「私が自殺したとしても、それは自殺ではない」と発言せざるを得ない社会。 http://t.co/lwoBR80Aju
など話されました。

第2部の対談と質疑応答では
飯田さんへのフロア質問に
①小泉純一郎さんへの評価。
「彼は首相の時、原子力について全く知らなかった。小泉さんの知らない所で、原子力政策を進めていた」「小泉さんの原発ゼロは、ホンモノだと思う」
②「原発ゼロは実現できるのか?」
3.11以降「節電で1兆円減らせた。電力会社は売上が減るので、近頃節電を言わなくなったけど」「ドイツの再生可能エネルギーの成功と、日本の節電の成功をさらに進めれば実現できる」
③「山口県知事選に出なかった理由は?」
「公式見解は発表済み。前回の知事選の後、飯田にかかわった人で職を失った人がいる。山口県議会の状況をみると、仮に知事になったとしても、百条委員会などあらゆる手段で潰されて何もできないのが予想された」

孫崎さんへのフロア質問に
①「核兵器が抑止力になるのか?」
「全くならない。核はリスクでしかない」

しめくくりとして。
孫崎さんは
「それぞれの人にはそれぞれの人生がある。でも、我々のように70歳過ぎたら、自分のギリギリの所で発言していこう。与えられた民主主義はほうっておくとなくなってしまう。
若い人には無理でも、70歳過ぎたら、しっかりモノを言っていこうよ。」
飯田さんは
「ご当地エネルギー、地産地消エネルギーは、やりたい!と思ったらできる。手をあげてほしい。
今注目すべきは、沖縄県と福島県。今年は、両方で知事選挙がある。飯田は、福島県にはしっかりコミットしていく。しっかり備えていく。」

お二人とも力強く、身をもって活動していく姿に感動し、元気をもらいました。

孫崎享さん著の「戦後史の正体」4月中旬発売の小説「外務省・尖閣問題の正体」も読んでみたいと思いました。

                               田辺雪子