震災で助かってトイレで死ぬ? 日頃のコミニュケーションが大事!

防災学習会報告

 10月5日、中野区職員で防災士の栗山明雄さんにお話をうかがいました。
 東日本大震災の被災地支援は被災地の県からの要望を都が受け、区に派遣要請がくることになっていますが、中野区では災害協定を結んでいる亘理町・岩沼市などへ職員を派遣し、状況把握や安否確認などボランティアとは違った行政活動の支援をしているそうです。
 数年前に防災士の資格を取った栗山さんも現地に数回行き、その様子を様々な機会に区民に報告して、今後に役立てるようにしているそうです。写真を見ると、半分になってしまった家、壊れたお墓など津波の被害は目を覆うようです。海から離れ、高台になっている所から先は被害がなく、明暗がはっきりしていたという報告もありました。
 今回の中野区での震度は5でしたが、あの時区としての避難所対応がはっきり決められていなかったため、地域での動きに差が出たそうで、これからは震度4.5以上で初動体制を取ると決めたそうです。
 3.11には帰宅困難者用に小中学校に避難所が開設されましたが、トイレ利用が主だったようです。今回は大した被害はなかった中野区ですが、首都直下型地震が起きたら・・・。
中野区では2000〜3000人の避難所に10個ほどの仮設トイレの準備しかないのです。これでは震災で助かってもトイレ問題で体調を崩し死ぬことにもなりかねません。
 米国では民間施設か、公共施設かは関係なくトイレと救護施設のある所が避難場所となっているそうです。
 又トイレでの性的被害防止のため男性女性のトイレ利用を各階で分ける、授乳室を設ける、子どもの夜泣き等にきめ細かい配慮ができるなど避難所運営には女性の視点がかかせません。「防災士に女性が少ないので、どんどんチャレンジして下さい。地域防災会と町会は別だが避難所運営委員会は町会長の推薦の所が多いのが現状、若い女性にどんどん入ってもらいたい」と話していました。
 避難訓練はこの震災後、より実際に即したものになってきているとのことですが、さらなる改善も必要で、私たち区民も関心を持っていきたいと思います。数人集まれば、区の防災課の職員から直接話を聞くことが出来るそうです。
 普段からのご近所付き合いが大事ですね。まずは挨拶から始めましょうか。地域の人が解れば、友達も増え・いざという時に助け合えますね。
                           田辺