原発のない未来を!なかのアクション 3回連続講座 第2回目

『3.11以降の希望を探せ』 鎌仲ひとみさんと山田真さんの対談

会場全景
会場全景
  8月11日に脱原発に向けての講座が開かれました。鎌仲ひとみさんはドキュメンタリー作家で、2003年からは「ヒバクシャ 世界の終わりに」「六ヶ所村ラプソディ」「ミツバチの羽音と地球の回転」を監督し一貫して原子力問題に一石を投じてきた。一方山田真さんは障害児の父として『障害児を普通学校へ・全国連絡会』の世話人をするなど、子ども達への優しいまなざしを持つ小児科の医師です。3.11以後は『子供たちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク』代表を務めています。

このお二人を迎えてのテーマは内部被爆です。
鎌仲さんは、被爆の真実を隠蔽していると喝破。電力会社はほぼ独占企業なのに広報費を莫大に使いテレビ局や新聞社をコントロールしているので、都合の悪い事は表に出さない。
放射線被害には閾値があるので、弱い放射線は安全である、と。しかし「内部被爆に関してはまったく違うメカニズムであり、ゼロ以外は安全でない」そうだ。一度体内に入った放射性物質は放射線を内部から出し続けるDNAの鎖を100パーセントの確率で壊していくことになるから、内部に取り込まない事が肝要。食、空気、水という生きるうえで必要不可欠なものが汚染されてしまったのだ。
 我々東京に住む者はまだ関西の野菜などを選ぶことができるが、福島県の人々はほぼ100パーセント福島産の食材しか手に入らないそうだ。曰く政府が安全を保障した、曰くこの地を出て行くなんて非国民だ、などとがんじがらめになっている地元のお母さんたちの不安の声を山田さんは代弁していた。子どもを放射線被曝させたくないという親の思いすら叶えられない今の日本は、チエルノブイリ事故当時のソビエトよりひどい対応だ。
山田さんが毎月開いている「健康相談」の会場でも6月は多くの親子が参加したが、7月には会場に行くだけでも後ろ指さされる空気が蔓延しており、参加者も減ったとのこと。マスクもできない・・・今は鼻血や下痢との因果関係を調査している段階だが、3年後10年後にどのような影響が出るのか、生身の福島県民を使って人体実験をしているようだと感じた。これは、以前山田さんが関わった「森永ヒ素ミルク中毒事件」と構造は同じとの実感も話してくれた。
 対談の後は、質疑応答の時間。やはり食の問題が多く、政府は福島産でも場所によって数値が違うのだからきちんと測定して公表すべきと語った。また海水浴に行っても良いかについては、長時間にならなければ問題ないでしょう、という答えでした。